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不動産投資 セミナー作ろう

大規模な店舗、広い駐車場を必要とする大手総合スーパーにとって、経営上、不動産戦略は重要な位置を占めていると考えられます。 たとえば、経営再建中のDは過剰に土地を取得し、その結果財務を悪化させ、過剰債務に陥ったとも言われています。
そこで本章では、大手総合スーパーであるI、Dを例にそれぞれの不動産戦略を取り上げてみます。 スーパー業界において、1960年代から1990年代前半にかけての出店は、駅前に行うことが主流でした。
しかし、その後、消費者のライフスタイルの変化やモータリゼーション化に伴って、駐車場がなく電車でしか行くことができない駅前総合スーパーは陳腐化してきており、広大な駐車場がありさまざまな専門店が入居している郊外型ショッピングセンター・ショッピングモールの方が、消費者にとって魅力的な場所ととらえられるようになりました。 Iはこのような消費者のニーズを踏まえ、広大な駐車場を完備し、Iの核であるスーパー「ジャスコ」と専門店を併設するといったI型ビジネスモデルのもと、事業を拡大しました。
出宿場所についても、消費者のニーズがあると考えられるところに出店していく一方、需要の低下した店舗は閉店を決断するケースもあります。 Iには「大黒柱に車をつけよ」という社訓がありますが、この社訓は「本来動かすことがないような家の大黒柱であっても、機会があればそれに合わせて動かさなければならなーリという意味です。
この言葉は、周りの変化に応じて出店場所を機動的に変化させるという経営姿勢にもあらわれています。 この柔軟性こそ、Iの強さではないでしょうか。
これに対し、Dはこれまで中心市街地の駅前を中心に出店してきました。 消費者の晴好が駅前総合スーパーから郊外型ショッピングセンターへと変化する中で、Dは、出店計画の変更等対応を迫られていたと考えられます。
しかしDは、この消費者の変化に柔軟な対応をすることが困難でした。 柔軟な対応を困難にした理由の1つとして、土地の過剰取得及びそれによる財務悪化が挙げられると考えられます。

ここで、I及びDについて、財務の安定性を図る指標である自己資本比率と土地(簿価)の関係を見てみましょう。 Iの貸借対照表上の土地残高は、比較的安定して推移しており、また、自己資本比率も安定していることが分かります。
(2000年前後に若干の上昇がみられますが、これは2000年6月施行の大規模小売店舗立地法の施行に備えた駆け込みの土地取得であったと考えられます。 )これに対しDは、バブル崩壊後及び2000年に土地の取得が大きく増えていることが分かります。
これを自己資本比率との関係でみると、2000年に土地取得が急増すると共に、自己資本比率が大きく下がっていることが分かります。 これまでDのビジネスモデルは、土地を取得し、取得した土地を担保に資金調達し、さらに土地取得を進めるというものでした。
しかし、1990年代から2000年にかけて「他の資産以上に土地の価格は上がる」という土地神話が崩壊し、不動産はその不動産が生み出す収益に基づき評価するという考え方が浸透していく中で、これまでのDのビジネスモデルは成り立たなくなったといえるでしょう。 また、このような土地を担保とした借入金に依存したビジネスモデルは、Dの出店計画を変更する際に、資金調達上大きな制約を課していたと考えられます。
Dは、土地を過剰に取得することにより、財務を悪化させ、経営の柔軟'性を縛っていたといえるのではないで、しようか。 以上のように、大手総合スーパーにとって、ニーズのある地域(あるいは潜在的にニーズがあると考えられる地域)にいかに柔軟に出店できるかということは、経営を考える上で重要な位置を占めていると考えられます。
さらにDが土地を過剰に取得することにより、財務を悪化させ、経営の柔軟性を縛っていたと考えると、不動産を所有して出店するか、あるいは賃借して出店するか、いずれが有利であるかということについて検討することは、重要な意味を有しているといえます。 そこで、すでに出店している倍舗について、あるいは大手スーパーが新規に出店する際、不動産を保有した場合と賃借した場合でどのような遠いがみられるのかを分析してみましょう。
開示情報等を参考にモデルケースを想定します。 A店舗(想定)は、立地・建物の規模等を勘案して不動産の適正賃料が1,390百万円、不動産を保有した場合に係る費用が555百万円、還元利回りは6.0%が妥当であると判断されたとしましょう。
そうするとこの不動産の価値は、A店舗は、売上高14,400百万円、粗利益3,600百万円、不動産に係る費用(不動産を保有するケースであれば固定資産税・減価償却費等、賃借するケースであれば家賃・地代等)以外の販売管理費を1,490百万円とします。 この店舗を保有した場合、粗利益3,印0百万円、販売管理費2,210百万円(不動産に係る費用以外の販売管理費1,490百万円+不動産保有コスト720百万円)となることから、営業利益は1,390百万円となります。

一方、賃借した場合は組利益3,600百万円、販売管理費2,880百万円(不動産に係る費用以外の販売管理費1,490百万円十賃料等不動産に係る費用1,390百万円)となることから、営業利益は720百万円となります。 計算された営業利益のみで判断すると、一見、不動産を保有した方が良いかのように見えます。
しかし、不動産を保有した場合は賃借した場合と比べて以下のようなリスクがある点に注意しなければなりません。 これは不動産の価格が約1割下落したら、1年分の営業利益が吹き飛ぶというリスクを企業内に抱えているということを意昧します。
つまり不動産を保有することによって、本業の利益を吹き飛ばす可能性があるということです。 不動産を保有しないで賃借することを選択することにより、企業は総合スーパーという本業の利益を不動産の価格変動リスクから切り離して経営することが可能になります。
株主から見ると本業と不動産リスクが混在してしまい、適正なリスク把握ができないというデメリッ卜不動産を企業内に抱え、不動産のリスクをとったままで、スーパー業をおこなった場合、株主から見ると本業と不動産リスクが混在してしまい、適正なリスク把握ができないというデメリットがあります。 不動産を保有した場合のデメリット不動産の価格変動リスクを負っている株主から見ると、本業のリスクと不動産リスクが混在してしまい、適正なリスク把握ができない出店効率が悪い計画がとても重要です。
そしてその決断は、他社に先駆けて行う必要があります。 同一エリアに同様な競合宿が出店しでも過当競争になるからです。
賃借の場合、出店効率という意味では少ない元手で多数出店できるというメリットがあります。 小売業界の出届形態として、旧来の駅前スーパーから現在主流の郊外型ショッピングセンター・ショッピングモールへという流れ、そして現在では都心回帰・まちづくり三法の改正といった要因の変化を背景に、小規模店舗の出店計画も一部では見られます。
このような変化に応じて出店場所を変えていくためには、資金面で考えると不動産を保有することより賃借する方がメリットがあると考えられます。

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